~ MLS・TDS・バイノーラルなど、あらゆる音響測定とポスト処理の統合ソフト
EASERAは、ほとんどすべての音響測定用基準信号と測定アルゴリズムを搭載した、音響測定と解析のための統合ソフトウェアです。
機能ごとに製品化されることが多い一般的な音響測定ツールですが、EASERAは、音響測定に必要な全ての機能を、一つの測定パッケージとしてまとめています。
EASERAには、StandardとProの2つのバージョンがあります。
主な違いは、測定チャンネル数とサンプリング周波数、ポスト処理の種類と操作シーケンス記録機能、MLS信号やユーザー定義信号などです。
詳しくは、機能一覧をご覧ください。
EASERAは、Electronic and Acoustic System Evaluation and Response Analysisの略で、AFMG社によって4年以上にわたって開発され、2004年のリリース以来、世界中の、音響コンサルタント、システムエンジニア、メーカー技術者の音響業務における貴重なツールになっています。
EASERAの主な開発目的は、音響シミュレーションソフトウェアEASEの音響予測を背景とした、実際のホールや会場の室内音響と電気音響の評価でした。
しかし、高速な処理エンジンは、ライブサウンドのリアルタイム分析や現場の音響環境分析をも可能としています。
加えて、GLLフォーマット(スピーカーモデリングデータ)に必要なスピーカー指向特性を測定するための、自動スピーカー測定ツールとしても多くのメーカーで利用されています。
EASERAは、次の4つの処理エンジンで構成されています。
EASERAの主要なエンジンは、MLS (Maximum Length Sequence)・ノイズ・スイープなどの多様な刺激信号を使った測定結果から、音響システムのインパルス応答・周波数特性・残響時間・クラリティ・音声明瞭度など、音響計測のグローバルスタンダードであるISO3382に準拠した室内音響パラメーターの解析を行います。
リアルタイム分析エンジンは、ライブサウンドのスペクトラム分析は元より、現場の音響環境(例えば壁の吸音率の把握)のデータ取得を可能とします。
EASERAの測定アルゴリズムは、高速フーリエ変換(FFT)のみならず、高速アダマール変換、相互相関関数の計算機能が含まれています。
さらに、オプションのTEF/TDSモジュールでは、TDS(Time Delay Spectrometry)に基づくTEF測定が可能です。TEF測定は、TEF測定器であるTEF25と同等の機能をデジタル信号処理で実現しており、ノイズや反射が多い通常の部屋においても、無響室に近い測定が可能です。
また、オプションのPOLARSモジュールは、スピーカーデータ測定のためのロボット制御や自動化のツールです。
EASERAでは、WAV、MLSSA、EASE、TEFなど様々なファイル形式で、測定結果のインポートおよびエキスポートができます。
測定チャネル数は32ch、サンプリング周波数は192 kHzまで可能です。また、ASIOオーディオインターフェースに対応しています。
高度なオーバーレイおよびカーソル機能、3D OpenGLベースのウォーターフォール、独自の高速歪み分析、録音ファイルのオフライン音響分析などの付加機能により、一般的な音響測定ソフトと比較して極めて優れたツールになっています。