AFMG_Japan

サウンドシステム設計支援

EASE 5 には、サウンドシステム(電気音響設備)の設計を、音響的に精度よく、かつ迅速にサポートする多くの機能が搭載されています。ここでは、その中の代表的な機能をご紹介します。

◆ Acousteer ~ 作図中のリアルタイム直接音SPLマッピング

直接音の音圧レベルを、作図中にリアルタイムマッピングができます。マッピングは、帯域・重み付け・スピーカー間の干渉等を設定できます。
この機能により、作図段階でスピーカーのモデル・配置・照準などの妥当性が素早く評価できます。
マッピングは20Hz~20kHzのフル帯域で行いますので、スピーカーメーカーのシミュレーションソフトの結果とそのまま比較可能です。

◆ 3D CADデータ、スピーカー位置・モデル・構成・信号処理情報の一括インポート

3D CADデータ(DWGファイル)のインポート機能を使って、会場データがあれば、EASE 5 に取り込むことで作図作業の負担を一気に減らすことができます。
また、EASE 5の作図データをDWGファイルとしてエクスポートし、スピーカーメーカーのシミュレーションソフトに取り込むことで、完全に同じ会場でサウンドシステムを構築し、最後にEASE 5にスピーカー配置と構成を一括でエクスポートすることができ、残響音や反射音を加味した音響シミュレーションに素早く移行することができます。
EASE 5では、複数メーカーのスピーカーを同じ会場に配置することができます。方法は、それぞれのスピーカーメーカーソフトからエクスポートしたデータを、作図モデルの中に取り込んでいくだけです。

◆ PA音の音声明瞭度評価

PAで再生される音声は、現場の音響環境によって明瞭性が大きく変化します。残響が長いコンサートホールや、大規模なドームアリーナなどでは、残響エネルギーやロングパスエコーなどにより音声の明瞭性は著しく劣化します。当然ですが、スピーカーから再生される直接音だけをシミュレーションしていても、音声の明瞭性は評価できません
EASE 5では、音声明瞭度のデファクトスタンダードであるSTI値を、残響時間や反射音による影響を考慮してマッピングすることができます。

◆ イマーシブPA評価

サウンドシステムのイマーシブ化が進んでいます。EASE 5の最新のバージョンでは、イマーシブPAを構築するにあたって有用なシミュレーションを提供開始しました。
例えば、Loudspeaker Density(スピーカー密度)と呼ばれるマッピングは、そのエリアの直接音の音圧レベルに何台のスピーカーが関与しているかというスピーカーの台数を表示しています。
以下の例では、3dB以内という条件の下でマッピングをしています(例えば、青色は1台、赤色は4台など)。

また、Horizontal Angleと呼ばれるマッピングは、オーディエンスが感じる音像の方向を表しています。
以下の例では、Y軸(緑の軸)に向かって、白は正面から、青は左側から、赤は右側から、音が聴こえてくることを表しています。

◆ 大規模屋外会場の音響シミュレーション

EASE 5 Proに搭載されているAURA(高速音線計算モジュール)は、大規模な設備や特に音線法でしかシミュレーションができない屋外会場の音響予測に適しています
また、AURAには散乱を計算する機能もあります。例えば、大規模な競技場には何万にものぼる観客席が存在しますが、AURAではそれらを作図する必要はありません。観客席のエリア全体に、席の構造に沿った散乱係数を持つマテリアルを貼ることで、音圧レベルや音声明瞭度を高精度に予測することができます。
以下画像は、160台のスピーカーを使った大規模屋外スタジアムの例で、マッピングはSTI(音声明瞭度)です。観客席は、詳細な作図はせず、散乱係数を持つマテリアルを一様に貼っているだけです。

◆ 可聴化

可聴化とは、音響シミュレーションをマッピングやグラフではなく、実際に会場内のその位置でどのような音が聴こえるかを確認するための機能です。可聴化は、360度方向の音像定位をバイノーラル(あるいはトランスオーラル)で実現しています。
EASE 5 JRとStandardでは直接音の可聴化が可能で、複数スピーカーを配置した場合の遅延調整に有用です。
Proでは残響音および反射音を含めた可聴化が可能で、会場内の響きの確認、ロングパスエコーなどの問題点の発見、イマーシブPAの定位や広がり感などの検証などに役立ちます。
以下は、EASE 5 Proの可聴化プレーヤー画面です。計算エンジンにはLakeとEARSがあり、Lakeではバイノーラル可聴化をリアルタイムで、EARSではバイノーラル可聴化およびトランスオーラル処理をファイルベースで行います。
入力信号は、無響室録音されたモノラルWAVファイルが使用できます。EASE 5には、男性アナウンス(英語)のWAVファイルがあらかじめ搭載されていますので、すぐに可聴化評価が可能です。

PAGE TOP