平面図、正面図、および側面図を画像ファイルとして読み込み、部屋のモデルを描画するための参照図として使用できます。
ゼロから、または図面を参照しながら部屋の3Dモデリングを行うために、EASE 5 では直感的な描画ツールセットによって座標を正確に入力できます。
フェースは、さまざまなツールを使用して作成できます。
また、モデリング中に便利な、以下のような機能があります。
モデルの作図上の問題や、音響的に間違った向きのフェースを簡単に見つけることができます。
エラー表示に基づいた、モデルの修正、シミュレーション準備、潜在的なエラーの修正に関しては、以下のような機能があります。
詳細は、ビデオチュートリアルBuilding a room model based on 2D drawing in EASE 5 First Edition(英語)もご覧ください。
ソフトウェアは、メインプログラムと計算モジュールに分かれています。メインプログラムには、設計で使用する各種ウィンドウがあります。
メインプログラムのすべてのウィンドウは、サイズ変更、移動、ドッキングが可能です。ウィンドウのレイアウトは自動的に記憶されます。
マッピングや可聴化などの音響シミュレーションのための計算モジュールは、メインプログラムにリンクされており、それぞれに独自のウィンドウがあります。
計算モジュールは、以下の通りです。
また、マテリアルの吸音率を編集するマテリアルエディターも、メインプログラムによって制御されるモジュールの一つです。
3Dモデルでは、次のようなプレゼンテーションビューと各種ビュー設定を使用できます。
マウスとキーボードを使用して、以下のようなビュー操作ができます。
EASE 5 のスピーカーデータは、スピーカーメーカーの大部分をカバーする140を超えるブランドから、2500以上のGLLフォーマットデータが利用可能です。それらは、一般的なポイントソーススピーカーやコラムスピーカー、ラインアレイ、高度なステアラブルコラムスピーカー、天井埋め込みスピーカー、無指向性音源など、多種に及んでいます。
新しいスピーカー製品については、各メーカーのウェブサイトより、スピーカーデータをダウンロードして使うことができます。
ブランド別に分類されたスピーカーデータベースを AFMGサイトからダウンロードし、EASE 5 のリボンメニューからインポートできます。
スピーカーデータの選択と表示には、次の機能が使用できます。
なお、スピーカーデータは、GLLフォーマットに加えDLL フォーマットもサポートしています。
スピーカーは、データベースからスピーカーモデルを選択するか、作図モデル内の既存のスピーカーを複製することによって挿入できます。
スピーカーは、簡単な操作でフェースの表面に配置することもできます。その場合、スピーカーの照準はフェースが向いている方向に自動的に向けられます。
スピーカーは、プロパティウィンドウで内容の確認および設定ができます。
スピーカーは、3Dビュー内で次のような内容で表示されます。
信号処理機能は、各スピーカーのフィルターウィンドウで次の設定ができます。
プロセッシングブロックを使用して、さまざまな信号処理機能を、個々のスピーカーあるいはスピーカーグループに割り当てることができます。
モデル内のすべてのスピーカーについて、その内容を表形式で表示します。そこには、ゲインと遅延の設定なども含まれます。
スピーカーテーブルは、クリップボードにエクスポートできます。
テーブル内でスピーカーを選択すると、3Dビュー内で強調表示されます。
EASE 5 のConfigurator ウィンドウで、ラインアレイスピーカーの高度な設定ができます。DLLベースのスピーカーの場合、埋め込まれたダイアログウィンドウは Configuratorウィンドウからアクセスできます。GLLフォーマットのラインアレイの場合、ラインアレイシステムを簡単に構築および変更できます。
手動セットアップに加えて、XGLC(GLL Configuration)ファイルからもラインアレイ構成をロードできます。
XGLCファイルは、AFMGの直接音シミュレーションソフトであるEASE Focusやスピーカーメーカーの音響シミュレーションソフトウェアで作成できます。
EASE 5 には、天井、壁、および床の、豊富なマテリアルデータベースが付属しています。これらのマテリアルは、フェースの音響特性を決定するために、フェースに割り当てられます。
データベースには、現在のプロジェクトにロードされたマテリアル、AFMGのデフォルトデータベース、AFMGによって編集された大規模なデータベース、およびカスタムマテリアルを含むユーザー定義のデータベースなど、複数のカテゴリが含まれています。
データベースには次のような内容が含まれており、検索機能で絞り込むことができます。
プロジェクトで使用されるすべてのマテリアルは、使用中のマテリアルウィンドウにタイルとして表示され、次の追加情報が表示されます。
使用中のマテリアルは、レポートなどに挿入するための表として、簡単にエクスポートできます。
EASE 5 には、既存のマテリアルの編集および新しいマテリアルの作成と編集のために、マテリアルエディターが搭載されており、以下のような機能があります。
オーディエンスエリアは、マッピング計算に使用される仮想的な平面です。
オーディエンスエリアは、通常の描画ツールで挿入できます。また、Area Above Face機能を使用するか、既存のオーディエンスエリアを複製することによって、簡単に追加することもできます。
オーディエンスエリアは、次のプロパティをサポートしています。
リスナーシートは、重要なリスニングポジションまたは測定ポイントを指定するために使用されます。
リスナーシートはマニュアルで挿入するか、既存のリスナーシートを複製することで簡単に追加できます。
リスナーシートの主要なプロパティは、プロパティウィンドウに表示されます。
EASE 5 のダイレクトフィールドマッピング機能は、サウンド システムの直接音カバレッジを最適化するために使用されます。
直接音のマッピングには、会場作図で使用するメインモジュールで行う方法と、ルームマッピングモジュールで行う方法があります。
メインモジュールでは、会場モデルにリアルタイムにダイレクトSPLがマッピングされます。
この機能はAcousteerと呼ばれ、以下の機能を有します。
ルームマッピングモジュールのマッピング結果には、次の内容が含まれます。
マッピングは、フェース、オーディエンスエリア、リスナーシート上で計算でき、以下の評価関数で表示されます。
EASE 5 のメインプログラムは、音響計算に必要なすべてのパラメータを1つのウィンドウで表示できます。表示された音響パラメータは、その後の計算と分析に使用されます。
入力値は簡単に変更でき、計算結果は新しい入力値に従ってすぐに更新されて視覚化されます。
スタンダードマッピング機能を使用すると、統計音響理論をベースとした拡散音場の仮定に基づいて、多数のシミュレーションを実行できます。
スタンダードマッピングは、Eyring(アイリング)の式を利用して、残響時間(RT)を計算します。測定された残響時間データがあれば、Eyringの式に代わってそのデータを直接使用できます。
スタンダードマッピングでは、ダイレクトフィールドに加えて、以下のような室内音響指標が計算され、結果が表示されます。
統計音響理論に基づくスタンダードマッピングに、レイトレーシング機能を加えることで一部の初期反射を含めることができます。それは、Standard with Reflectionsと呼ばれるマッピング機能で、シミュレーション精度が向上します。
さらに、ローカル減衰時間(Local Decay Time)では、部屋の場所ごとの残響時間をマッピングできます。
レイトレーシングモジュールを使用すると、反射パターンを計算し、視覚化して分析することで、フラッターエコーなどの音響的問題を見つけることができます。また、スピーカーや反射板の照準合わせにも使用できます。
レイトレーシングモジュールには、以下のような機能があります。
レイトレーシングモジュールは、ユーザーが指定した場所のレスポンス関数も計算します。これらのいわゆるリフレクトグラムには、各反射に関する正確な情報が含まれています。例えば、到達時間、レベル、周波数応答、および方向情報です。
プローブモジュールおよびレイトレーシングモジュールの3Dビューと組み合わせて、リフレクトグラムをさまざまな方法でインタラクティブに分析できます。
EASE 5 のプローブモジュールは、主に、レイトレーシングを使用して計算されたレスポンスファイルと、リフレクトグラムを表示および分析するために使用します。これは実際の音響測定システムと同様に機能し、以下のような多くの表示機能があります。
AURAモジュールを使用したフルレングス(全長)のレイトレーシングの結果でない場合は、レスポンスファイルを、テールの付加によって時間拡張したインパルス応答から作ることができます。
また、レスポンスファイルを、可聴化のためにEARS モジュールに転送することができます(Proのみ)。
AURモジュールは高度なレイトレーシング機能です。64bitエンジンとマルチスレッド処理をベースとして、正確なフルレングスのエコーグラムとインパルス応答を計算し、加えて散乱による影響も考慮します。これにより、ISO 3382 および IEC 60268-16 に準拠したすべての重要な音響評価パラメータを高精度で導き出すことができます。
計算の条件設定は、AURAの自動設定の選択か、ユーザーが調整できます。
AURAマッピングは、次の結果をマッピングすることができます。
これらのマッピングでも、ダイレクトマッピングと同じ評価関数を使用できます。
また、レシーバーの位置で次の分析ができます。
AURAレスポンスは、次のフォーマットでフルレングスのレスポンスファイルを計算します。
AURAレスポンスの結果は、レイトレーシングの結果と同様に、プローブの各種評価関数を使用できます。
可聴化とは、コンピューター上でスピーカーモデルを介して録音された音楽や音声信号を再生し、音を試聴することを言います。設計段階で部屋内の音を聴くことで、マッピング等の結果だけではない主観的な要素を設計に盛り込むことができます。また、設計が終わった段階では、設計結果の一つとして可聴化データをWAVファイル保存できます。
EASE 5 のEARS モジュールは、可聴化を実行する特殊な計算モジュールです。可聴化は、直接音のみ、レイトレーシングで得られたレスポンス、あるいはAURAレスポンスのどれかを使用できます。最も正確な可聴化は、AURAレスポンスに基づくものです。
EARS 聴覚化モジュールを使用して、さまざまな効果を聴くことができます。
EARSモジュールには、以下のような機能があります。