SysTuneは、最大8チャネルまで、測定とすべての計算を同時に実行できます。サンプリングレートは、8kHz〜192kHzに設定できます。
また、Proには、オーディオIFの入力チャンネルを最大32チャネルまでSysTuneの入力チャンネルに自由に割り当てるためのマトリックス機能も搭載しています。
専用の高速アルゴリズムにより、SysTuneはコンピューターの能力を効果的に駆使し、古いマシンでも問題なく使用できます。もちろん、マルチコアやマルチスレッドを備えた最新のCPUではよりいっそう安定して動作します。
AFMGは、長年にわたる音響信号処理の研究開発努力を、部屋の全長のインパルス応答(48kHzサンプリングの場合、約11秒)のリアルタイム逆畳み込み処理に投入しました。
SysTuneは、サウンドシステムと部屋のインパルス応答をリアルタイムで測定し、ポスト処理により様々な音響パラメータを表示できる唯一のソフトウェアです。
SysTuneに搭載されたSysTuneのデュアルチャネルFFT測定(伝達関数とインパルス応答)は、ピンクノイズやサインスイープ、ユーザー指定のファイル化されたカスタム信号(Proのみ)、CDまたはライブステージの音楽など、すべての信号を基準信号として用いることができます。
さらに、SysTuneにあらかじめ搭載されたピンクノイズとサインスイープ、ユーザーカスタムの基準信号は、測定時に、設定したFFTサイズに自動的に最適化されます。
SysTuneは、ライブサウンドで必要とされる音響測定項目である、伝達関数の振幅(Magnitude)と位相(Phase)、群遅延、そしてインパルス応答をリアルタイムで測定することできます。
SPL(音圧レベル)の測定に加えてLEQ(等価騒音レベル)、それらのヒストグラムも記録可能です。また、NC値も測定することができます。
Proでは、RNC、NR、RC MarkⅡの測定も可能です。
SysTuneは、ライブ音楽を使用して、残響時間(RT)および音声明瞭度(STI)の複雑な計算を、リアルタイムで処理し表示できます。
これは、特許取得の逆畳み込み技術(RTD™)によって、はじめて実現できる機能です。
つまり、観客でにぎわう大規模なホールで、これらの部屋の音響パラメータを正確に測定できる唯一のソフトウェアがSysTuneです。
伝達関数測定時の耐ノイズ性を飛躍的に上げるために、SysTuneには独自開発のSSA Filter™を搭載しています(特許出願中)。
この高度なフィルターは、測定信号のスペクトルの時間的な変化を分析し、計算に用いる測定データを基準音源に関わるデータだけに制限します。
例えば、物が倒れたり、ハンマーで何かを打ったりした際に発生する突発的なノイズ、さらに風などの影響を、自動的に測定データから排除します。
SysTuneは、伝達関数測定の信頼性の指標になるコヒーレンス測定に加え、測定されたインパルス応答の安定性「IR Stability」を計算表示することができます。
この独自のIR Stabilityは、コヒーレンス同様に測定中は常にリアルタイム表示されます。
コヒーレンスとIR Stabilityにより、測定の品質を常時判断でき、不適切な測定によるチューニングミスを軽減することができます。
SysTuneの窓関数は、一般的な窓関数とは一線を画します。
特許出願中のTFCウィンドウ(時間-周波数コンスタント窓)と名付けられたSysTune独自の窓関数は、周波数に依存した窓の時間長を持っており、ある周波数で窓時間長を切り替えるのではなく、連続的な関数になっています。この独自アルゴリズムにより、通常の測定では極めて困難な低周波数領域においても、高い周波数分解能を維持します。
さらに、直接音の後で遅くやってくる不要な反射音や残響音を、インパルス応答から適切に排除できます。結果として、伝達関数測定の品質が飛躍的に向上します。
2つの画面の同時表示、スペクトルグラムの進行方向の選択、カラー変更、など現場のニーズに合わせた調整が柔軟にできます。
健康規制は、世界中でますます重要度が増していますが、SysTuneは、国別の規制に基づく測定結果の表示ができます。
様々な国の規制条件があらかじめ搭載されており、地域の要件をカスタム入力することもできます。
さらに、測定項目別にフォルダー化された測定ロギングファイルが自動生成されます。
SysTune独自のブラウザベースのWebインターフェイスを使用すると、WiFiを介して測定をリモート制御できます。
リモート用のデバイスは、iOSやアンドロイド、各種タブレットやパソコンに関わらず、すべてで機能します。
システムの調整は時間のかかる作業になりがちで、調整が長期間の音響測定を伴うと、現場にいる他の作業者の邪魔になります。SysTuneのバーチャルEQは、その問題に優れたソリューションを提供します。
コンピューター上で仮想的にチューニングできるため、当たり前ですがEQをいじっているのに誰も気づきません。そして、SysTune上でチューニングしたEQ設定をDSPに転送したとたん、システムから再生されているサウンドが良くなります。
Proには、Advanced Virtual EQというIIRまたはFIRフィルターを自由に設定できる特別なEQも搭載しています。特にFIRフィルターを熟知したエンジニアにとっては強力なツールになるでしょう。
遅延設定と位相合わせの問題は、システムエンジニアの間で最も議論されているトピックです。AFMGは、その議論に対して画期的なソリューションをSysTuneに搭載しました。
SysTuneの「Delay Analysis」機能は、一連の測定データを使用して、サウンドシステムの最大レベル応答と最大フラット応答の両方に対して、最適な遅延設定を自動計算します。さらに、極性の情報をも提供し、予想されるシステム全体の周波数応答を計算します。
これは、システムエンジニアに対して多くの時間の節約に役立ちます。
SysTuneの正規化プラグイン「Normalization」は、測定値と基準値との偏差のみを表示することができます。
例えば、複数位置での伝達関数測定時に、ミキサー位置を基準として他の客席位置の差分のみを表示できます。
ターゲット応答への最適化チューニングする際も便利ですし、マイクの周波数キャリブレーションなども可能です。
SysTuneは、サードパーティのハードウェアプラグインのオープンAPIをかなり前から提供してきました。多くのメーカーは、すでにDSPやオーディオネットワークなどでSysTuneをサポートしています。
Lake Controllerが使われているシステムでは、SysTuneの主要な機能をLake Controller上から制御できる通信チャネルが確立され、SysTuneは測定結果をLake Controllerの操作画面上に送ります。
したがって、サウンドチューナーは、Lake Controllerの画面上で、SysTuneの測定結果を観測しながら、LakeによるEQ処理を行うことができます。
SysTune内にあるバーチャルEQ設定は、d&b製品で用いられている「.rcp形式」のファイルに直接保存できます。
それらをd&b R1ソフトウェアにインポートすると、d&bアンプ内のDSPで同じEQ処理が可能になります。
SysTuneは、他のソフトウェアとデータ交換することが容易です。
あるソフトウェアから書き出されたインパルス応答をそのまま読み込み、伝達関数を表示することができ、伝達関数を読み込めば、インパルス応答に変換することも可能です。
また、ストリーミングしたオーディオデータを連続して分析することも可能です(Proのみ)。
SysTuneは、ほぼ全ての一般的なオーディオインターフェイスとドライバー(Windows Direct Sound、Wave / MME、ASIO)をサポートしています。